みつい今日は都橋を攻めようと、看板を見上げる。さてどこへ行こうか。 ふと目に飛び込んで来た「サントリーバー」の文字。 そういえば、最近はオーシャンバーへ行くことが多い。 どこか懐かしい気持ちで階段を登る。 「みつい」は、都橋商店街の中央の階段を上がるとすぐ右手にある。 カウンター7席のみのスナック。 調度品がなかなか渋く、自然に年を経た落ち着きがある。 お通しはしそ味の昆布ときんぴら。 ビ-ルを頼む。 店の奥の壁に「水辺の灯」という詩がかかっている。 --------------------- 浜に夜風の渡るころ 野毛の岸辺に灯がともる その名は「みつい」ともす灯 夢を求めて人がくる -------------------- とはじまる。いい詩だ。 ママは近くにお住まいで店と家の往復だという。 ここにきて14年。 それ以前は会社にお勤めだったそうだ。 酒が弱く、やっとビールが飲める程度。 それでも飲むのがうまくなったと褒められている。 昔、じゃんけんゲームでウィスキーを1本飲むというのがあり、 ママの代わりによく飲んだとカウンターの端に座る常連さん。 今日は暑くてクーラーのききが悪いとママ。 室内の温度が上がっていて店に来た時はカウンターまで熱かったとか。 ビールのグラスが空くたびに、ママが注いでくれる。 ふんわりと店の空気を伝えてくれる会話。 女性ひとりでも気楽に来られる店だ。 締めて¥1,500.- |